ヨーナブログ

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博士ドンソンの冒険1

 どんなにやる気があろうと勇気があろうと、自信がなければ何もできない。それが人間だ。原始時代にクマとわざわざ戦わない合理的な遺伝子を持つものが生き残ってきたからだろう。だから僕は彼女を救えなかった。僕自身は危機的な状況に陥ることなく、生きるか死ぬかの選択ではない助けるか助けないかの選択だった。助けないに決まっていたなぜなら自信がなっかたからだ。今でも助けようとしたところで99%助けられないと思っている。

 だがやっとタイムマシーンが完成した。僕は彼女を助けにいく。僕は自分の命を不合理に使えるように出来ていない。この選択をできると言うことはある程度自信があると言うことだろう。なぜなら人間とは目標達成できる自信がないと無意識に避けてしまう生き物だからだ。

 これは認知的不協和という心理現象だと思う。目標達成できないという推測(否定思考)が目標を達成するための行動(肯定行動)を変えてしまう。

 そういえば僕の目標は彼女を救うことではなく、過去に行きたいだった。だから僕はこうして行動に移すことができているのだろう。薄情者だ、だけど薄情者にならないともっと薄情者になってしまう。まるで物欲センサーのようにこの世界の人類は手に入れたいものは手に入らないようにプログラミングされているようだ。

 いや言い変えると、手に入りそうにないものは手に入れようとしないようにプログラミングされている。でもそこには抜け道があると思う。手に入るそうにないのなら、めちゃくちゃ簡単で生きているだけで達成できそうな目標を組みこくことだ。例えば素手でクマを狩りたいのなら、クマを安全なところから観察したいという目標を組み込み、それからクマを罠にかけたいという目標に移行して、そこまでできたらファイトできるようになっているかもしれないといった感じた。

 では香歴2200年から香歴100年にタイムスリップすることにしよう。僕は丸いポットに乗り込み時間の向きを変えた。

 時間は等速で巻き戻る。それからポットは光速で回転し超早送りで2100年前の原始時代に到着した。

 そこは人工物が一切ない自然だけの豊かな世界だった。草木は生い茂り、動物の鳴き声と川のせせらぎが僕の耳を満たした。こうして人間に自信がなくても本当に手に入れたいものを諦めないで追い求められる勇気の遺伝子を生み出す旅が始まった。一度きりの人生本当に守りたいものを守ることが至高だと信じて。