勇者ゼルの冒険6
突然大きな影に覆われた。それは空を飛ぶ巨大なドラゴンだ。そのドラゴンは赤黒く凄まじい咆哮で異様な存在感を放つ。ドラゴンが俺たちを標的にしているのは明白で鋭い眼巨大な体躯を俺たちに向ける。
「クレナ、あのドラゴン絶対、俺たちに狩ろうとしれるよな」
「そ、そうね、あのドラゴンはレッドドラゴンで火を吹くわ」
「勝算はありそう?」
「ないわ、普通なら軍で討伐する敵よ、私たち二人でなんとかる敵ではないわ、でもやるしかないわ」
「そう、俺たちは戦うしかない」
そう言って俺とクレアは上空のドラゴンを見上げ武器を構えた。するとクレアの俺の双刃の剣よりも少し長い杖の先端が光を帯びる。
なんと杖からどんでもないレイザー光線が爆音と共に放出される。
ビィィィィ
そのレイザー光線はドラゴンを飲みこみ雲に穴を開けた。
「そんな技を隠してたのかクレア」
俺は驚いてそう言った。
「別に隠していたわけじゃないわ、ただ上空に向けて撃たないと危険だから使わなかったのよ」
「確かに雲を貫いていたし、どんな魔法なんだ?」
「ジャッチメント・レイという魔法よ、この魔法か君のパージと同じように私にしか使えない魔法よ」
会話をしていると三体の新しいドラゴンが現れた。その三体は俺たちに火を吹き俺とクレナは業火に包まれた。三方向から逃げ場のない火炎に包まれる中クレナがアイスウォールで半球の壁を作り軽いやけどで済んだ。
「いよいよ危機的な状況ね」
とクレナが言う。
「レイザー光線はまた使えるか?」
「あと一回使えるわ」
「とりあえず一体やっちゃってくれ」
「わかったわ」
そう言うとクレナは氷の壁の中からジャッチメント・レイを放つ、それは一匹を消しとばし、一匹に甚大なダメージを与えた。さすが雲をも切り裂く威力だ。
「ナイス、クレナ!あとは俺が倒す」
全魔力を剣に込める。
「パージ・インフィニティー」
剣から光の斬撃が飛びたし残りの2匹に命中して倒した。
その衝撃で剣がバラバラになってしまった。なので俺は剣を作ることにした。クレナに承諾を得て剣作りに励むことになった。
クレナは剣なら買った方がいいわと言うが俺には譲れないこだわりがある。それは少し重いのとあまり折れない強さがだ。
だから俺は剣を作ることに情熱を注ぐことにした。魔王を倒すのはそのあとだ。我が剣なくして討てる敵ではない。俺は情熱を持ち鉄を叩く。精一杯の力をこもて剣の形にしていく、そしてより強く。