ヨーナブログ

いろんなことを書いてます

勇者メルの冒険7

 俺は今剣を作っている。それはそれは自信作である。真っ赤な鉄を叩く、鉄を叩く。自然と熱くはない。むしろ心地いい。できるだけ強く作るためなら苦痛を感じることはないのかもしれない。今は剣を作るためにやらなければならないことを全て放棄しいる。側から見たらとんでもなく自分勝手かもしれない。

 でもそれでいい。人生は自分のやりたいように生きたらいい。人間関係なんてその瞬間の成り行きに過ぎない。何をしたって変わりゆくものなのである。嫌われることを恐れるな。

 居場所なんてくだらない本能に囚われるな。どんだけ寂しがり屋なんだよ。どんだけ迷惑かけたくないんだよ。人間は自分勝手な生き物なんだ。俺がこうやって剣を作るように、自分に都合の良い嘘をつき、自分の都合のいいように相手を貶め、自分の都合のいいように取り入り、自分の都合のいいように他者を利用する。

 だから俺はこうして何も気にせず剣を作り続ける。くだらないその瞬間の居場所よりも大切なものはこの世界に沢山ある。

 例えば、それは夢、絶景、宇宙、書物などの創作物、思いやり、それらを全て堪能するには途方もない時間は必要である。自分勝手にやりたいことをやろう。それが迷惑だとしても仕方がない。

 誰にも迷惑をかけずに死ぬより、たくさんの人に迷惑をかけて生きる方が楽しいに決まってら。それでも迷惑をかけるのが嫌だって?何を望んでるの?お金持ちの自分?一生懸命働く自分?心身をすり減らし他者に尽くす自分?嗚呼くだらない。 

 他人からどう思われようと君がしたいことをすれば良いじゃないか。どうせ他人はこれからも自分勝手に生きる。この居場所を求める人間のクソみたいな性を一笑しよう。

 原始時代は人に迷惑をかけると生きていけなかったかもしれないが現世は幸い大概のことはなんとかなる。本能に惑わされるな。

 真っ赤な鉄を叩くと火花が散る。それに当たると結構熱い火傷ものである。人生に例えると迷惑がその火花である。大概のことはなんとかなる。

 君が楽をして他者に働かせることがいけないことのわけないだろ。その他者が本当に嫌がっているのなら君から去るもしくは追い出すだろう。そうしないのなら頼れる。

 俺は剣を作る。自分勝手に。俺は剣を作る才能があるわけではないが剣を作るのが楽しいと思える。だから作り続ける。いつか丈夫な剣を作ったり、なんでも切れる剣を作ってみたいものだ。

 思いやりさえあれば多少迷惑かけてもいいと思いながら剣を打つ。