勇者アバロン、上級攻撃魔法炎炎地獄を習得する
ミノタウルスをぶった斬る、ぶった斬る、尋常ではないタフさだ、「まだ倒れないのか」とこぼす勇者アバロン、アバロンは強靭な肉体を持つミノタウルスと対峙していた。ミノタウルスは圧倒的な腕力で棍棒を振り回す魔物である。
死闘の末アバロンはミノタウルスを鋭い斬撃で頭をかち割った。何度諦めようと思ったことか、何度逃げてしまおうと思ったことか、満身創痍のアバロンは感傷的になり聖剣にもたれ膝をつく。聖剣ガリガリオンが折れていたら心も折れてしまっていただろう。
そこに魔法使いアントムがやってきた。「アバロンよくぞミノタウルスを倒してくれた、褒美をやろう」
「アントム殿、ありがたき幸せ」とアバロンを顔をあげ言った。アントムは上級攻撃魔法の炎炎地獄を習得する鍛錬につきあってやるといい、アバロンは大いに喜んだ。
それから地獄の特訓が始まった。炎炎地獄とは消えないほのおで敵を燃やし尽くす魔法であるそれを習得するには、ひたすら作り出す炎の練度を上げないといけない。まずはアントムから消えない炎の種火をもらいなれることから始まって、だがこれが厄介で燃え広がってしまい鍛錬どころではないのだ。幸い消えない炎は術者によって消すことができるがやけどは免れなかった。
全身火傷をおったアバロンはヒリヒリする体に鞭打ち、上級魔法炎炎地獄の習得に闘志をもやした。そしてアバロンがやっと消えない炎を宿すことに成功した。
「やりおったの。アバロン」とアントムはご満悦であった。
あとは攻撃魔法火炎弾と同じ容量で増幅して飛ばすだけだったので難なく習得できた。上級攻撃魔法炎炎地獄を習得しアバロンは折れかかった闘志に火がついた。そしてアントムに別れをつげ更なる冒険に旅立った。
アントムは瀕死の重傷を負っている。今にも倒れてしましそうな体をなんとか立たせている状態だ。今倒れたら確実にやられる。アバロンは4体の巨人に囲まれている。棍棒が雨のように降りかかる。アバロンはそれを何とかいなしている状況だ。アバロンの鎧の隙間からは棍棒をいなすたびに圧で血が噴き出る。アバロンは途切れ途切れの意識の中呪文を唱える、「我に力を我に決して消えることのない炎を炎炎地獄全てを焼き尽くせ!」
炎が洞窟の空間全体に広がる、一瞬にしてそこはまさに地獄と化した。巨人たちは逃げる術なくのたうち回り瞬く間に灰となり消え去った。アバロンは聖剣ガリガリオンを高く掲げ、この勝利に酔いしれた。その剣には炎が宿っていた。