ヨーナブログ

いろんなことを書いてます

勇気ゼルの冒険8

 クレナがご立腹のなか俺は剣を作っていた。早く魔王を倒さなくてはならないが剣を買うのでもなく作っている。そもそも迷惑とはなんだ。クレナを待たせてるのは迷惑かも。だらだらやることやらずにやりたいことをやっているのは迷惑かも、親とかに衣食住を提供してもらっていた無職の前世を迷惑かも。

 迷惑なら提供しないでくれ、迷惑なら待たないでくれ、迷惑なら行動を決めないでくれ。俺はいざとなったらやる男だ。みんなそうだ。

 迷惑という事実が作るこの不快感は人を惑わす。どうしたらよいか迷ってしまう。だから迷惑なら施さないでくれ。施しながら迷惑な顔をしながら俺を支配しようとすることが一番の迷惑である。万人よありのままであれ。

 人はどこまでも自分勝手なんだ。だから相手の都合に合わせる必要なんて皆無だ。自分らしく自分勝手に自分の都合で生きることを当然の権利だ。なぜ〇〇しないと〇〇するわよに従う必要がある。別に〇〇されても構わないじゃないか。

 嫌な顔をされるという居場所なさを感じる不幸が嫌なのだろう。再三言ったが居場所よりも、大切なことをこの世にたくさんある。例えば自然、宇宙、創作物、自由な時間、娯楽、ありのまま体験できる全てのこと。

 作る剣が形を成してきた。丈夫で重い剣ができてきた。切れ味は期待できない代物だ。とりあえずしっかり研いでみよう。やはり太い諸刃の剣なので研いでもスムーズに切ることはできない。

 スムーズに切る必要なんてない、何度だって挑戦すれば良い。剣が折れない限り俺が挫けることはない。世界がどんなに残酷でも。折れたとしてもぶん殴って魔王を倒す。やられたとしても呪い倒す。

 重くて丈夫な棍棒みたいな剣は使いたいなら使ってくれ、邪魔なら捨ててくれと言ってるように存在感を放つ。俺はその剣を鉄剣と名付けた。10キロはある鉄の塊だ。とても重く筋トレになる。振り下ろした時の威力は凄まじまい。振り上げた時の威力は若干乏しい。

 だか魔王を倒すのになんの問題もない。煩わしい問題なんて無視だ。煩わされるだけ損だ。自分勝手な全てに気づき、自分勝手に拒絶しろ。相手に支配されるのは優しさではなく弱さである。

 でも君は優しい。迷惑を装った自分勝手って支配にも優しく対応しようとしている。でも気づいてくれそれが相手の自分勝手な思惑だと。人間は自分勝手な生き物なんだ。常に思いやりのある人間なんてほぼいないと思う。

 

勇者メルの冒険7

 俺は今剣を作っている。それはそれは自信作である。真っ赤な鉄を叩く、鉄を叩く。自然と熱くはない。むしろ心地いい。できるだけ強く作るためなら苦痛を感じることはないのかもしれない。今は剣を作るためにやらなければならないことを全て放棄しいる。側から見たらとんでもなく自分勝手かもしれない。

 でもそれでいい。人生は自分のやりたいように生きたらいい。人間関係なんてその瞬間の成り行きに過ぎない。何をしたって変わりゆくものなのである。嫌われることを恐れるな。

 居場所なんてくだらない本能に囚われるな。どんだけ寂しがり屋なんだよ。どんだけ迷惑かけたくないんだよ。人間は自分勝手な生き物なんだ。俺がこうやって剣を作るように、自分に都合の良い嘘をつき、自分の都合のいいように相手を貶め、自分の都合のいいように取り入り、自分の都合のいいように他者を利用する。

 だから俺はこうして何も気にせず剣を作り続ける。くだらないその瞬間の居場所よりも大切なものはこの世界に沢山ある。

 例えば、それは夢、絶景、宇宙、書物などの創作物、思いやり、それらを全て堪能するには途方もない時間は必要である。自分勝手にやりたいことをやろう。それが迷惑だとしても仕方がない。

 誰にも迷惑をかけずに死ぬより、たくさんの人に迷惑をかけて生きる方が楽しいに決まってら。それでも迷惑をかけるのが嫌だって?何を望んでるの?お金持ちの自分?一生懸命働く自分?心身をすり減らし他者に尽くす自分?嗚呼くだらない。 

 他人からどう思われようと君がしたいことをすれば良いじゃないか。どうせ他人はこれからも自分勝手に生きる。この居場所を求める人間のクソみたいな性を一笑しよう。

 原始時代は人に迷惑をかけると生きていけなかったかもしれないが現世は幸い大概のことはなんとかなる。本能に惑わされるな。

 真っ赤な鉄を叩くと火花が散る。それに当たると結構熱い火傷ものである。人生に例えると迷惑がその火花である。大概のことはなんとかなる。

 君が楽をして他者に働かせることがいけないことのわけないだろ。その他者が本当に嫌がっているのなら君から去るもしくは追い出すだろう。そうしないのなら頼れる。

 俺は剣を作る。自分勝手に。俺は剣を作る才能があるわけではないが剣を作るのが楽しいと思える。だから作り続ける。いつか丈夫な剣を作ったり、なんでも切れる剣を作ってみたいものだ。

 思いやりさえあれば多少迷惑かけてもいいと思いながら剣を打つ。

勇者ゼルの冒険5

「起きてゼル」

 クレナの声が聞こえる。徐々に意識がはっきりしていく。

「ここは……どこ?」

ケルベロスを倒した場所よ、あれからモンスター来なくなったから結界を張ってゼルが起きるのを待ったいたのよ。丸一日眠っていたわ。魔力を使い果たすなんて自殺行為よ、でも助かったわ、ありがとう」

 多分クレナが回復魔法を使ってくれたおかげで体の傷は癒えている。

 日差しが眩しく、周りは木々が茂り、草原が明るく照れられている。

 さらにクレナは続けた。 

「ゼルの魔力タンクが壊れているから直すわ、王国内でも数人しか治せないぐらい重症なんですからね」

 そう言ってクレナは俺の額に手を当てて「クレパスマキナ」と唱えた。それによりと機械が勝手に組み立つように俺の体に光のパーツが入ってくる。

 試しにパージを唱えたが光を掌に作ることができた。

「クレナありがとう」

「こちらこそありがとう、ケルベロスの時は助かったわ」

 ひと休憩をしてまた俺たちは最北の魔城を目指し歩みを進めた。

 

 川に沿って歩く、周囲は木々が生い茂り、日光が木、川、小石を明るく照らす。

 俺たちが道を歩くと思った以上にモンスターが襲ってくるので他の人巻き込む恐れがあり道ならざる道を歩くことにしたのだ。

 自然の雄大さはいつの世も綺麗だ。でも人々はなかなかそれを享受することはできない。それは仲間といないと安心できない性が原因だと思う。もしくは自分の価値を高めるのに自然を享受するのは無意味だと思っているのかも知れない。

 人は価値があると思うと幸福を感じ、価値がないと思うと不幸を感じる生き物だ。なので仏陀は苦しまないように価値を求めるのを否定したのだと思う。仏陀は現実をあるがまま経験するという教えもといた。それは自分の価値を見誤らないための文言だと俺は解釈している。

 でもやはり人の原動力は価値を感じるためだと思う。どうしたらこのような価値の追求から逃れることができるのだろうか。それは自然の美しさを享受して満足すればいいのだろうか、損得勘定も差別もない相手のことを第一の考えた純粋な思いやりを持てばいいのだろうか。

 いや違う、価値を感じたいという感情の本質的な目的は仲間を作り安心したいだと思う。つまりいかにして安心するかが重要かも知れない。人は呼吸の速さでリラックスしたりできる。だからまずはゆっくり腹式呼吸することが価値追求から逃れるすべになりうると思う。

 クレアと一緒に6秒吸い6秒吐くという等間隔呼吸法を実践した。

「等間隔呼吸法は落ち着くし野宿でも早く寝れる気がするわ」

 クレナは髪を払いながらそう言った。

 

勇者ゼルの冒険4

 俺とクレナは最北にある魔城を目指し歩みを進めた。

「ここ三年で魔物の被害が増えたのよ」

 クレナは魔物を倒し俺に言った。

「どうして三年前に増えたの」

「三年前に魔王が異端教会の手によって復活しからよ、ゼルはそんなことも知らないで戦ってたの?」

「うん、異世界転生してきたもので」

「そうなの、数奇な人生を歩んでるのね」

「にしても魔物が多いな」

 俺は獰猛なダークウルフを剣で薙ぎ払いながらいう。

「どうやら魔城に近づこうとすると魔物が寄ってくるみたいなの」

「そうとう過酷な旅になりそうだな」

「なんとかなるわ」

 クレナは杖から吹雪を出しモンスターを次々と凍らせた。氷魔法フリーザだ。

 俺は強い女性に憧れていたので告白することを決めた。

「クレアの強さに敬服しました、結婚を前提にお付き合いしてください」

 俺は告白した。

「無理よ、あなたみたいなしがない冒険者と付き合うことはできないわ、せめて魔王を倒し英雄王にでもなることね」

 俺は振られた。魔王を倒すことが前世でいう高学歴や大企業、公務員に就職するということなのか。俺はこの辛い現実で無職だった頃を思い出した。

 そこで仏陀の考えも思い出した。望むから苦しむのだ。彼女を作りたいと望むから苦しむのだ。望まなけば振られても悲しいだけで苦しむことはない。

「わかったよ、クレナ」

 俺は悲しい気持ちになり答えた。

「今は恋愛より魔王を倒すことに時間を割きましょう」

 クレナがそう言って気を遣ってくれたが余計恥ずかしくなった。

 

 俺が振られた時木を薙ぎ倒し何かがこっちに向かってくる。そいつは頭が三つあり狼のような体躯でとても巨大でまさにケルベロスそのものである。

 ケルベロスは俺たちに炎を吐いたがクレナが氷魔法で壁を作り防いでくれた。

「助かった」

ケルベロスは厄介な相手ね、ゼル作戦を考えましょ、まず私が氷魔法でケルベロスの気を惹きつる、その隙に後方から剣技を叩き込んで」

「わかった」

「アイスグラベル

 クレナは氷の壁から飛び出し杖から氷のつぶてを飛ばした。それはケルベロスの頭に命中した。ケルベロスはクレナに注意を向けた。 その隙に俺はケルベロスの背後に回り込み、ケルベロスの足を切り落とした。

 しかしすぐに足が生えてきた。さらに首が伸び俺とクレナは瞬く間に咥えられてしまった。牙が身体中に刺さっていることを感じる。身動きが取れない。クレナは必死にもがいている。

 俺はどうなってもいいという一心で全ての魔力を解き放った。俺を加えていた頭を消し飛んだ。

 さらにその魔力を剣に収束させて放つ。 

「パージライトニング」

 剣から落雷のごとく聖なる光がケルベロスに命中し消し飛ばす。

 俺は全ての魔力を使い果たし気を失った。

 

 

 

勇者ゼルの冒険3

 王様に呼び出され王宮の広間で俺は王様の話を聞いたいるところだ。王宮はとても広く豪華な作りをしていて緊張を禁じ得ない。  「お主の魔法パージは唯一無二の魔法じゃ、どうか魔王ゾンビマズターを討伐してはくれぬか?」

 王様は力強く俺にそう言った。

 「構いませんが勝てるかわかりまん」

 俺は恐る恐る答えた。

 「お主ならきっと勝てるじゃろう、それに王国随一の魔法使いを仲間にするが良い』

 

 そんなこんなで俺は魔王を倒さなければいけなくなった。できるだけ早く倒さなければ、それだけ王国が疲弊していく責任のあることでそんな重役を忘れたくなる。

 今は王宮の一室で王国随一の魔法使いを待っているところである。どの時ドアが開いた。

 「はじめまして、私はクレナと言います、ゼルさんこれからよろしくお願いしますわ」

 彼女はとても美しくしっかりしている雰囲気を醸し出している。髪色は青で肩までの髪型で瞳の色も青で、灰色のローブに身を包んでいる。

 そして俺の名前はゼルで性はグリンデルトだ。瞳も髪も鎧も黒い。しがない冒険者だ。

 「こちらこそよろしくお願いします、クレナさん」

 俺は緊張しながらそう答えた。

 「そんな固くならずに、私はクレナとお呼びください。ゼルと呼んでいいかしら?」

 「はい、そう呼んでください」

 「これから長くなりますから敬語もなくしません?」

 「そうですね、無くそう、クレナ!」

 俺は照れを隠すように熱く答えた。

 「ゼル、これから私たちの冒険が始まるわ、その調子で元気よく行きましょう」

 クレナは優しくそう言った。

 美人と旅ができるのはこの上ない喜びだが同時に協力して魔王を倒すことができるのかとても心配になる。考えても仕方ないなるよにしかならない気楽に行こう。自分にそう言い聞かせた。

 「ゼル、あなたに一つ聞いておかないといけないことがあるわ」

 「なにを?」

 「ゼルはなぜ魔王を倒すのかしら?」

 「魔王を倒したら魔物な被害がなくなり世界が平和になるからかな」

 「魔王を倒したらパージでお金を稼ぐことができなくなるのよ?」

 「そうなったとしても、この力は世界を平和にするためにあると思うだからゾンビもゾンビマスターも変わらない、クレナはどうして魔王を倒すの?」

 「わたしは王宮にいる家族が安心して暮らせるような世界にするためよ、それから私は魔物に仲間を殺されるのを嫌と言うほどみてきたわ、王宮随一と魔法使いなんて魔物の前では非力で助けられない命が多すぎるの、だから終止符を打ちたいの」

 クレナの瞳は輝いていた。

 

勇者ゼルの冒険2

 ソンビを倒し終えホッとしたところに俺の身長の二倍はありそうなゾンビが土から這い出てきた。そのゾンビの名はグレートゾンビで強力な腕力を持つ。

 グレートゾンビはすかさず俺の足を持ち振り上げては振り下ろしを繰り返す。

「ぐはっ」

 体を地面に打ち付けられる。それから投げられ近くの木に衝突した。俺は吐血をし完全に戦意を喪失してしまった。甘くみていた、ただのゾンビならそこまで危険ではないが、グレートゾンビは力も体格も桁外れた。

 俺は何をするにも中途半端な自分に甘い人間なのかと自問する。そんなことはない、いつもいいアイディアがでればそれを試し実行に移してきた。ただそのアイディアが続けてきた努力をやめてしまう原因になってしまうことはよくある。そのアイディアは無意識に成果のなかなか出ない努力をやめさせるためのものではないだろうか。

 人は価値を感じたい生き物だ、だから成果の出ない努力は早々にやめてしまうだろう。だが俺が今グレートゾンビから逃げ出したら、俺は俺をますます嫌いになるだろう。新しいことにチャレンジすることも重要だが諦めないこともそれ以上に重要だと思う。だから俺は諦めない、決して諦めない、手足がもげようと、剣が砕けようと、諦めてなるもなか。

 俺は剣にパージの魔法を付与する。剣が黄色い温かい光に包まれていく。そこには勇気、思いやり、慈悲の思いも込められたいく。剣はより光力をまし光り輝く。

 俺はグレートゾンビに突っ込み、高く飛び上がり剣を頭から振り下ろす。

 「パージソード!」

 グレートゾンビは真っ二つになり灰と化し霧散した。

 今回は勝てたが次は運良く行かないという可能性を俺は考える。今回は勝てる見込みがわずかだがあった。しかし勝てる見込みがない敵なんてごまんといる。そんな敵と対峙したらどうするんだ。

 そしたら地道に倒そう。何度だって挑もう。どんな敵も諦めなければいずれ倒せるだろう。早く倒したけれはそれだけ努力すればいい。難敵が俺に倒されるのを待ってくれるわげがない。だからできるだけ早く倒す必要がある。すなわちできるだけ努力する必要がある。 どうしたら努力できるだろうか。それは成功体験をつくることだろう。

 成功体験はいかにしてつくろうか。逐一自分の力量を測ろうか。日進月歩、絶えず進捗や成長に注目すれば努力することができるかも知れない。失敗を作らず地道な進歩に注目することが成功の秘訣かも知れない。

勇者ゼルの冒険1

 ゾンビを袈裟斬りで一途両断する。しかしゾンビは片腕で這うようにして俺に向かってくる。緑色の皮膚と白い骸骨と臓物で構成されたそれは吐き気を催す。うめき声がそこらじゅうから聞こえゾンビの数の多さを認識する。

 俺はたたみかけるように浄化の魔法を使った。「パージ」魔法の発動と共に片腕ゾンビは灰と化した。パージは弱った敵にしか効かないがゾンビを倒すにはこれと聖水しかない。

 そういえば異世界に飛ばされてからモンスターと戦ってばかりだ。そして唯一使える魔法がパージだ。なぜかこの世界にはアンデットのモンスターが多く討伐依頼が無数に存在して前世で無職の俺でも野垂れ死ぬことはなさそうだ。

 現世では誰からも必要とされなかった。さらに無慈悲に虐げられて生きてきた。なぜ人は虐げるのだろうか、それを俺は理解することができない。だがそれを理解できないことが俺の唯一の取り柄だと思っている。他者を虐げていい理由なんてこの程度の世界にはない。

 だが俺自身が無職として相応のストレスを感じていたのは事実で楽になるために他者を虐げることもできたかも知れない。でもしなかった、ただ嫌われるのが怖いだけのエゴかも知れないが人を傷つけて得た安心に果たして価値はあるだろうか。

 考えてばかりいられない。俺は次々くるゾンビを剣で両断しパージで浄化をしていく。ゾンビは土からは這い出てくる。ゾンビに噛まれても感染することはないが細菌が傷口から混入するので数日は発熱で寝込むことになる。

 今の俺はパージで活躍できているが、前世の時は活躍できなかった。とにかく何かが足りなかったんだ。それは能力が足りなかったからか、運が足りなかったからか、勇気がたりなかったからか、多分全て足りなかったんだろう。

 異世界では能力と運がある。成功間違いなしかもしれない。いや残酷な現実を受け止める勇気と一歩踏み出す勇気がないと前世と同じように無為な時間を過ごしてしまうかも知れない。

 どうしたら異世界では成功できるだろうか。堅実な努力をするべきだろうか。アンデットに脅かされた世界を救うこと使命にするべきだろうか。人より劣っている堅実な努力に価値はあるのだろうか。惨めな思いをするだけではないだろうか。世界を救うことを本当にできるのだろうか。今の俺の力では到底無理なように思われる。

 俺はどうすれはいいのだろうか。どうしたら人生を謳歌できるだろうか。もっと自分自身と向き合う必要がありそうだ。